東京高等裁判所 昭和58年(ネ)2712号 判決 1984年4月25日
控訴人 甲野マツ
右訴訟代理人弁護士 田宮甫
同 堤義成
同 斎喜要
同 坂口公一
同 鈴木純
被控訴人 甲野二郎
右法定代理人親権者母 乙山花子
右訴訟代理人弁護士 増田晋
同 山岸良太
主文
本件控訴を棄却する。
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実
控訴代理人は、「原判決を取り消す。本件訴を却下する。右申立が認められない時は被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴代理人は、控訴棄却の判決を求めた。
当事者双方の主張及び立証の関係は、原判決の事実摘示と同一(但し、二枚目裏一、二行目中「現在、九歳九ヶ月。」及び同三行目中「現在、四歳五ヶ月。」とあるのをそれぞれ削り、一六枚目裏四行目「本件」の下に「一、二審」を加える。)であるから、これを引用する。
理由
一 本案前の申立について
未成年者が戸籍上の養親を被告として両者間の養子縁組の無効確認を求める訴を提起する場合、未成年者の法定代理人となるべき者は、同縁組が無効であるとの原告主張事実を前提として定められるものであるところ、後記のように、本件において被控訴人の法定代理人となっている乙山花子は被控訴人の母で、被控訴人の父太郎との離婚訴訟の確定判決で被控訴人の親権者と指定されていることが認められるから、花子に被控訴人の法定代理人たる資格あることは明らかである。これと異る見解に立つ控訴人の本案前の申立は理由がない。
二 本案について
当裁判所は、被控訴人の本訴請求は理由がありこれを認容すべきものと判断するが、その理由は、次に付加訂正するほか、原判決の理由説示と同一であるから、これを引用する。
1 《証拠付加・訂正省略》
2 一八枚目表八行目「九月一八日に」の次に「右の件で」を加え、同行及び次の行「診療所」から一二行目「帰った。」まで及び一二行目「太郎が戻って来て」をそれぞれ削り、同裏二行目「決着がついた。」を「決着がついたかに見えた。」と改める。
3 一九枚目表七行目「一七回にも及ぶ」及び八行目「太郎は、」から一〇行目末尾までをそれぞれ削る。
4 二〇枚目表一行目「提起された。」の次に「右訴では、いずれも子の親権者を自己に指定することを求めるものであった。」を加える。
5 二一枚目表一一行目「主張するが、このような」を「主張し、当審証人甲野太郎はその旨供述するが、前記のとおり太郎と花子は離婚訴訟中で対立関係にあり、しかも、右訴訟の争いの眼目は親権者指定にあった事情のもとでは、右のような」と改める。
よって、本件控訴は理由がないから、これを棄却することとし、民訴法三八四条、九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 田中永司 裁判官 宍戸清七 安部剛)
<以下省略>